5/11/2007

活版再生展に行ってきた。

活版再生展
世田谷文化情報センター生活工房(キャロットタワーの3,4F)
5/4~5/20 11:00-19:00 入場無料

作品展示
池田充宏・田中義久、イチハラヒロコ、工藤公昭、大石薫、加賀賢策・草薙洋平、菊池淳己、桐島カオル、小山奈々子、澤辺由記子、住吉麻衣子、高田修地・高田唯、武井実子、名久井直子、西尾彩、藤原弥生。

活版再生展

活版再生展という展示を見に、三軒茶屋のキャロットタワー内にある「世田谷文化生活情報センター 生活工房」へ行ってきた。
世田谷区内の活版工場を畳むという話を聞きつけた生活工房のプログラムコーディネーターの竹田由美氏が機材を引き取り、展覧会をやれないかと企画したところ、面白がって参加してくれるクリエイターが沢山あつまり、活版の機材資産と若いデザイナーの作品を展示する企画が生まれた。

・一冊の本との出会いが活版への想いを深めた。


紙にまつわるエッセイや考察集であるかみさまから始まった活字への想い。
産業廃棄物として捨て去られる運命にあった活字と、機材を救ったのは一冊の本だった。



重版用に控えておく紙版

活きた字を刻むのが活版ならば、電子的なフォントやジェットやレーザーで印字された文字は活字ではなく、死字なのかもしれない。

鉛の重々しい雰囲気が醸し出す気高さは、作家や記者が特別な存在であり、言葉を生み出すことがとても価値のあるものだったことが伺える。
DTPのようにコピーアンドペーストで活きた言葉は生み出せないのだ。



活字は8000枚も印刷したら刷り切れて読めなくなるそうだが鉛を溶かし、もう一度鋳造機に入れれば再び蘇るのだそうだ。



今回展示に出店した若手デザイナー達がオールライト工房を設立。
展示の終わった機材を引き取り、活版を使った作品作りを続けていくそうだ。
主流ではなくなった活版印刷だが、独特の味わいに新たな表現を加え蘇らせていく。

それは時代の早すぎる流れに危惧したリノベーションの一つなのかもしれない。

生活工房|イベント情報・詳細|活版再生展
http://www.setagaya-ac.or.jp/ldc/modules/events/event_detail.php?id=98



出品された作品は著作権を有するため、掲載するのは機材だけです。
若手デザイナーの素晴らしい作品群は、是非足を運んで鑑賞して欲しい。